「どうやって放デイを決めたらいいかわからない」
「我が子が楽しめる放デイってどんなところだろう」
「素敵な先生に出会いたい」
「親の就労をサポートしてくれるところがいい」
「こどもの特性を理解してくれる人がいない」
4月から新しい環境で頑張る親子にとって放課後等デイサービスの利用は生活を大きく支えてくれます。
入学直前に放課後等デイサービスを利用したいと思い立っても地域によっては難しいこともあります。
早い段階で動き始めておかないと理想の放課後等デイサービスを利用できません。
この記事では情報キャッチの上手な方々に向けてこどもにとって最適な放課後等デイサービスの選び方を紹介します。
この記事の3秒ハイライト
💡放課後等デイサービスを探すときに見るポイントがわかる
💡すでに利用している放課後等デイサービスの評判がわかる
厚労省の放課後等デイサービスのガイドラインを参考にして記事を執筆しています。
- そもそも放課後等デイサービスとは?!
- 放課後等デイサービスはどんなことをしているの?
- 具体的な支援内容
- 利用に向けて
- 利用希望の放課後等デイサービス事業所を探す
- 利用申請書等を提出
- 面接調査
- 受給者証を交付される
- 事業所と契約
- サービス利用開始
そもそも放課後等デイサービスとは?!
放課後等デイサービスとは、児童福祉法に基づく、障害のある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービスです。
放課後等デイサービスの対象児童は、児童福祉法第6条の2の2第4項において学校教育法第1条に規定する学校 (幼稚園及び大学を除く。) に就学している障害児
(引用:放課後等デイサービスの対象拡大について)
要するに6歳から18歳までの障害のある児童で、発達障害、知的障害、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害など様々な障害のあるこどもたちです。
放課後等デイサービスはどんなことをしているの?
放課後等デイサービスには厚労省から通達されている基本的な役割があります。
- こどもの最善の利益の保証
- 共生社会の実現に向けた後方支援
- 保護者支援
どの事業所もこの基本的な役割にのっとってサービス提供をしています。
①こどもの最善の利益の保証
放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学 校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に 応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を 図るものである。
ようするにこどもの成長する権利を最大限活かせるように近くにいる大人たちは義務を果たさなければならないわけですよね。
保護者や支援者の思いが優先されやすい目標設定ですが、ちゃんと子ども自身が「やりたい」「こうなりたい」と思った内容を支援の中に取り入れていくことが求められているわけです。
のちに紹介する事業所選びの観点でも重要ポイントになってきます。
②共生社会の実現に向けた後方支援
放課後等デイサービスの提供に当たっては、子どもの地域社会への参加・包 容(インクルージョン)を進めるため、他の子どもも含めた集団の中での育ち をできるだけ保障する視点が求められるものであり、放課後等デイサービス事 業所においては、放課後児童クラブや児童館等の一般的な子育て支援施策を、 専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」としての位置づけ も踏まえつつ、必要に応じて放課後児童クラブ等との連携を図りながら、適切 な事業運営を行うことが求められる。
ようは一事業所単体で完結する点の支援ではなく、地域と連携できる線や面での支援を提供することを求められています。
サポートを必要としているこどもとその家族をよってたかって必要なだけサポートを届ける。
私の理想としている支援の姿のもととなる考え方です。
うむ。
最高。
③保護者支援
放課後等デイサービスは、保護者が障害のある子どもを育てることを社会的 に支援する側面もあるが、より具体的には、 ① 子育ての悩み等に対する相談を行う ② 家庭内での養育等についてペアレント・トレーニング等活用しながら子ど もの育ちを支える力をつけられるよう支援する ③ 保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行う保護者の支援を図るものであり、これらの支援によって保護者が子ど もに向き合うゆとりと自信を回復することも、子どもの発達に好ましい影響を 及ぼすものと期待される。
癇癪の記事でも紹介しているように
障害のある家族と向き合うためにはメイン養育者である保護者の心理的安全性を担保することが重要です。
保護者が心に余白を持っておかないと、発達段階の中でさまざまな出来事で揺れ動いてしまうこどもと正面から向き合うことにしんどさを感じてしまいます。
保護者がこどもと向き合うゆとりを作り、こどもとの関わりに自信を持てるように保護者のサポートをすることが求められています。
具体的な支援内容
放課後等デイサービスでは、以下の支援を行います。
- 生活能力の向上のための訓練
- 社会との交流の促進
- 居場所の提供
生活能力の向上のための訓練
🚩自立支援:着替え、食事、トイレ、排泄、移動などの基本的な生活動作の訓練
🚩コミュニケーション支援:言葉の理解や表現、集団でのコミュニケーションの訓練
🚩学習支援:学校の勉強のサポート、生活習慣の身につけ方などの訓練
訓練と記載されてると修行のような印象を持たれてしまうかもしれませんが、こどもが社会の中で自分らしく楽しく生きていくために必要なまだ未獲得のスキルを練習したり発揮が不安定なスキルの定着を目指すようにイメージをしてください。
事業所によって支援の軸となる考え方が異なるため【事業所探し】の項目で紹介する方法を参考にご家庭の考え方に近い事業所を選択できるといいと思います。
社会との交流の促進
🚩集団活動:他の子どもたちと一緒に遊んだり、学んだりすることで、社会性を身につけるための活動
🚩外出:公園や図書館など、地域の施設に出かけて、社会体験をする活動
居場所の提供
🚩安心・安全な場所の提供:保護者の就労や家庭の事情などで、子どもが放課後や休日に過ごす場所がない場合、安心・安全な場所を提供します。
🚩友達との交流の機会の提供:他の子どもたちと遊んだり、学んだりすることで、友達との交流の機会を提供します。
放課後等デイサービスは、障害のあるこどもたちが、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々のこどもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図ることを目的としています。
【個々のこどもの状況に応じた発達支援を行う】というのが重要です。
誰一人同じ状況なこどもはいないので、みんなに一律で同じ支援内容を届けるのは難しいと考えます。
どんなこどもに対してもプログラミングしかしません。
どんなこどもに対しても絵画しかしません。
という放課後等デイサービスも実在しています。
この活動内容を否定しているわけではなく、個別の配慮の仕方や特性にあった関わり方の知見があれば問題ないと思います。
ただ、「プログラミングをするだけ」「絵画しているだけ」のようにその活動を提供するだけの場となっているような事業所の場合は注意が必要です。
利用に向けて
利用料は、利用者の所得によって異なりますが、一般的な家庭では、利用料の1割から2割程度を負担することになります。
放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちの自立や社会参加を支援する重要なサービスです。利用を検討している方は、ぜひ一度、各自治体の福祉課や児童相談所に相談してみてください。
利用には、以下の条件があります。
- 児童が障害児である
- 児童が学校に通学している
自治体によって細かい手順や工数が異なる可能性がありますが、今回は横浜市を例に放課後等デイサービスを利用するために必要な手順を紹介していきます。
※必ずお住まいの自治体のHPなどで確認をしてください。
- 利用希望の放課後等デイサービス事業所を探す
- 事業所の見学と相談を行う
- 利用申請書等を提出
- 面接調査
- 受給者証が交付される
- 事業所と契約
- サービス利用開始
利用希望の放課後等デイサービス事業所を探す
まずは、利用したいと思う放課後等デイサービス事業所を探しましょう。
各自治体には、多くの放課後等デイサービス事業所があり、それぞれに特色があります。
事業所のホームページやパンフレットなどを参考に、希望する事業所を探してください。
事業所を探す時に必ず見たほうがいいところ
児童発達支援事業所と放課後等デイサービスで働いている人間かつ、障害児の保護者として両方の視点で考えたときに必ずチェックするポイントを紹介していきます。
インターネットによるホームページから情報収集をすることが多いと思うのでホームページから読み取れる情報の中で紹介していきます。
- 事業所として大切にしていること
- 事業所内評価
①事業所として大切にしていること
大手の場合はどのような軸を持って支援をしているのか、小規模の場合は大切にしている支援の在り方などをホームページから読み取ります。
調べていくと「ABA」「運動療育」「社会参加」など複数の支援を提供していると公言している事業所がありますが、本当に強みとして打ち出しているのが何かわからないところは個人的には避けています。
というのも、内科、歯科、整形外科、美容外科、産科と看板のあるクリニックに行きたいと思いますか?
そういうことです。
②事業所内評価
【事業所自己評価シート】や【放課後等デイサービス評価表】というようなものがホームページに貼付されていることが多いです。
【自己評価表例】
※厚労省のPDFファイルに飛びます
この評価表の中では実際に利用されている保護者のリアルな意見が記載されています。
事業所内の清潔さや活動、助言の保護者への勉強会の有無など。
【具体的な活動内容】【設備】【人員配置(子どもの人数に対する大人の人数)】など評価表を見るだけでは情報が不足しているところを実際に事業所見学で訪れたときに担当してくださるスタッフに直接質問しています。
自己評価表では見れない部分
個人的にスタッフの人数は重要視していて、スタッフの心に余裕がある事業所は自己研鑽の時間が担保できていたり、育成体制が整っている可能性が高いためいい支援を提供できていると考えています。
必須ではありませんが厚労省より、事業所内評価を運用することが推奨されています。
事業所内評価がない=好評できるプラットホームがないor運営側に知識がないor公表できない何かがある可能性がある
だとしたときに私の場合はそもそも自己評価シートが公表されていない事業所は候補から外して検討していました。
横浜市では独自の放課後等デイサービスのガイドラインが市のホームページに記載があります。※リンクに飛びます。
ちなみに横浜市の場合は必ず公表するように明示されていました。
事業所見るポイントおさらい
- ホームページを見る👀
- 事業所が大切にしている支援の軸を見る👀
- 事業所内評価を見る👀(そもそも提示しているか)
事業所の見学と相談を行う
利用希望候補の事業所を見つけたら、可能な限り見学に行きましょう。
見学では、事業所の雰囲気やスタッフの対応などを実際に見て、肌で感じることができます。
また、相談では、前項で紹介した【自己評価表で見れない部分】や待機者数などについて、具体的に確認しましょう。
何はともあれ候補が出揃ったら見学に行くのが1番。
行ってみないとわからないことがたくさんあります。
事業所を探すパートでも紹介しましたが、ホームページや事業所内評価を見て読み取れなかった部分を見学のときに情報収集するイメージです。
スタッフの雰囲気
個人的には結構重要視します。初めて事業所の中に入ったときに元気に明るく対応してくれるかということは大切です。
日ごろからできていて習慣になってないと咄嗟にできませんからね。
見学行ったときにスタッフ同士でケンカをしているということは稀かもしれませんが、支援中のアイコンタクトややり取りなどを見てスタッフの雰囲気もチェックすることをオススメします。
周りの友達
放デイは週5で利用しているお子さんが多いです。利用をスタートしたときのことを考えると見学に行ったときにいるお子さんと同じ時間に滞在する可能性が高いということになります。
我が子にとって苦手な感覚や刺激があるようでしたらスタッフと相談推奨です。
交通の便
学校ー放課後等デイサービスー自宅と送迎をしている事業所が多いですが、緊急時にお迎えに行くということが発生するかもしれません。
自家用車があれば問題はないかもしれませんが、もし運転できない理由がある場合は交通の便についても調べておきましょう。
施設の清潔さ
建物自体の劣化は一定仕方ないと思いますが、掃除が行き届いていないようでしたらスタッフに余裕がなかったり支援をタスクとして見ているような人が多い印象です。(これは私個人の勝手な解釈です)
神は細部に宿るですね。
送迎の有無
進学予定の学校へ送迎ルートがあるのか確認する必要があります。自宅の近所だったり、事業所としても素敵だなと思ったとしても進学予定先が事業所の送迎ルートから外れていたら意味はありません。(保護者が毎日送迎をするなら問題ない)
事業所に見学をして利用したいと思える放課後等デイサービスが決まったらあとは事務作業です。
もれなく必要な工数を踏んでいきましょう。
利用申請書等を提出
利用を希望する場合は、区役所の福祉事務所や児童相談所に、利用申請書等を提出します。申請書等には、児童の障害の状況や利用を希望する日数など、必要事項を記入する必要があります。
面接調査
利用申請書等の提出後、区役所の担当者から面接調査が行われます。面接調査では、利用の要件を満たしているか、月に何回の利用を希望しているかなど、利用の目的や内容について、直接お話を伺います。
受給者証を交付される
面接調査の結果、利用が適切と判断された場合は、受給者証が交付されます。受給者証には、利用の上限額などが記載されています。
事業所と契約
受給者証を提示し、事業所と契約します。契約では、利用日数や利用時間などを具体的に決めていきます。
個別支援計画の説明を受けて使用をスタートさせていきます。
サービス利用開始
契約が完了したら、利用を開始することができます。利用開始後は、個別支援計画に基づき、個々の児童の状況に応じた発達支援が行われます。
利用開始して間もない頃はお互いに探り合いの状況だと思うので、定期的にコミュニケーションをとっていきましょう。
結論
いろいろ調べて候補が出そろったら見学に行くのが一番!!
放課後等デイサービスは障害のある子どもとその家族にとって生活を支えてくれるパートナーです。
家・学校に次いで長く過ごす場所になるかもしれません。
こどもが自分らしく楽しく過ごせるように事業所選びは慎重にしましょう。