「我が子の個性や感覚に合わせた関わり方がわからない…」
「自信を持って接したいのに、どうしていいか迷ってしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか?
このブログ記事では、NLP(神経言語プログラミング)に基づくVAK診断を活用し、障害児のタイプに合わせた効果的なコミュニケーション方法を紹介します。
この記事を読むことで
この記事5秒ハイライト
- VAKとは何か、その仕組みをわかりやすく解説
- 子どものタイプを理解し、適切なアプローチを取ることができる
- 子どものタイプ別に合わせた具体的なコミュニケーション方法のヒントと実践例
- タイプ別・具体的な関わり方のヒントと実践例
VAKモデルとは?
VAKモデルは、アメリカの心理学者リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーによって開発されました。
人は五感を通して情報を収集しますが、その中でも最も多くの情報量を処理する感覚を「優位感覚」と呼びます。
VAKは、人の情報処理スタイルを3つのタイプに分類したものです。
- 視覚優位(Vタイプ): 視覚的な情報から情報収集や理解を行う
- 聴覚優位(Aタイプ): 聴覚的な情報から情報収集や理解を行う
- 体感覚優位(Kタイプ): 体感覚や感情を通して情報収集や理解を行う
それぞれのタイプは、情報処理やコミュニケーション、学習方法などに違いがあります。
VAKモデルは、この優位感覚を3つのタイプに分類することで、個人の情報処理の傾向を理解しようとするものです。
発達障害児育児におけるVAK診断の重要性
発達障害児は、感覚過敏や感覚鈍麻など、情報処理に偏りが見られる場合があります。
VAK診断は子どもの情報処理スタイルを理解し、それぞれの特徴に合わせた関わり方を実現するためのヒントとなるツールです。
個々に合わせた関わり方を実践することで、親子間のコミュニケーションが円滑になり、子どもの成長を促進することができます。
VAK診断の受け方
VAK診断は、無料の診断テストも多数公開されています。ここでは代表的なテストを紹介していきます。
別サイトを参考にスプレッドシート版も作ってみました💡
複数のテストでやってみることで結果の客観性や正確性が上がるかもしれませんね!
VAK診断に基づいた障害児との関わり方
前の章で紹介したアセスメントツールを使って子どもや保護者自身のタイプがわかりました。
この項目ではそれぞれのタイプの特徴と子どもに変換したときにどのような対応をしたらいいのかを紹介していきます。
冒頭でも紹介しましたが、VAKには3つのタイプがあります。
- 視覚優位(Vタイプ)
- 聴覚優位(Aタイプ)
- 体感覚優位(Kタイプ)
この3つのタイプについて順番に解説していきます。
視覚優位(Vタイプ)
視覚優位タイプは、情報を処理する際に視覚的な情報に最も影響を受けるタイプです。
特徴
視覚優位タイプは、周囲の情報収集や理解において、視覚的な情報に大きく依存します。絵や写真、動画などの視覚的な情報は記憶に残りやすく、空間認識能力や方向感覚にも優れています。整理整頓が得意で、視覚的に整頓された環境を好みます。
論理的思考力や分析力にも優れており、抽象的な概念よりも具体的なイメージで理解する傾向があります。説明する際は、図表やイラストなどを活用し、身振り手振りなど、ジェスチャーが豊かになるのも特徴です。
話す速度は早口になる傾向があり、目線は上向きに。会話の中で、「見える」「イメージ」といった視覚に関する表現を多用するのも視覚優位タイプの特徴です。
コミュニケーション方法
視覚優位タイプとコミュニケーションをとる際には、視覚的な情報を多用することが重要です。図表やイラスト、写真などを積極的に活用し、ポイントを箇条書きにして説明すると効果的です。ホワイトボードや黒板を活用するのも良いでしょう。
話す速度はゆっくりと、はっきりとした声で話すように意識し、相手の目を見て話すことも大切です。身振り手振りなどを活用し、早口にならないように意識しましょう。抽象的な表現は避け、具体的なイメージで説明するも効果的です。
視覚優位タイプとのコミュニケーションで注意すること
視覚優位タイプは、視覚的な情報が不足していると、理解が難しいと感じてしまうことがあります。抽象的な表現や比喩は理解しにくい傾向があります。
強みと弱み
視覚優位タイプの強みは、情報収集や理解が早く、論理的思考力や分析力に優れていることです。空間認識能力や方向感覚にも優れており、整理整頓が得意です。
一方、視覚的な情報がないと理解しにくい、抽象的な表現が理解しにくい、早口で話してしまうといった弱みもあります。
まとめ
視覚優位タイプと上手にコミュニケーションをとるためには、視覚的な情報を多用し、ゆっくりと、はっきりとした声で話すことが大切です。抽象的な表現は避け、具体的なイメージで説明するようにしましょう。
情報処理
- 視覚的なイメージで情報を処理し、記憶する。
- 図表やイラスト、映像などを好んで利用する
- 空間認識能力に優れている。
- 文字を読むことも得意
- 見た目や印象を重視する。
- 情報を整理する際は、頭の中でイメージを整理する
コミュニケーション
- 話すときには、具体的なイメージ(視覚的な比喩や例え)を交えて説明する。
- 話す際は、図・イラスト・ジェスチャーなど視覚的な表現を多用する
- 相手の表情や服装をよく観察する。
学習
- 視覚的な情報が豊富な教材や資料で学習するのが効果的
- ホワイトボードやマインドマップなどを活用する。
- 図解やイラスト付きの説明書を好む。
- 見ながら覚える、イメージしながら理解するといった学習方法が得意
その他
- 整理整頓が好きな傾向がある
- 時間やスケジュールを視覚的に管理し厳格
- 目標達成志向。
- 几帳面で計画的。
- 見た情報をよく覚えている
- 過去に見た風景や場面などを鮮明に思い出すことができる
- 美術館や映画館など、視覚的な刺激を得られる場所を好む
視覚優位タイプの子どもには
- 絵カードや写真、動画などを活用する
- 視覚的にわかりやすいスケジュール表や行動計画の作成
- 一緒に絵本を読んだり、イラストを描いたりする
- 図表やイラストで説明する
- ジェスチャーや表情を豊かに使う
- 絵カードや写真、イラストなどを活用したコミュニケーション
このような関わりをすることで飲み込みが早かったり、指示が届くようになるかもしれません。
聴覚優位(Aタイプ)
聴覚優位タイプは、情報を処理する際に聴覚的な情報に最も影響を受けるタイプです。
特徴
周囲の情報収集や理解において、音声情報に大きく依存します。音楽や人の声、講演などを好んで聴き、指示を理解する際も音声での説明が効果的です。記憶力は音読や聞き流しで鍛え、論理的な説明よりも具体的な事例や体験談を好みます。
話す速度はゆっくりで、声のトーンや抑揚に富みます。目線は相手と合わせ、「聞こえる」「話す」といった聴覚に関する表現を多用する傾向があります。
コミュニケーション方法
聴覚優位タイプとコミュニケーションをとる際には、ゆっくりと、はっきりとした声で話すことが重要です。声のトーンや抑揚を意識し、相手の目を見て話すようにしましょう。質問を投げかけ、対話形式で話すのも効果的です。
音楽や音声教材を活用し、静かな環境で話すことも大切です。抽象的な表現は避け、具体的な事例や体験談を用いて説明しましょう。
聴覚優位タイプとのコミュニケーションで注意すること
早口で話すと、理解が難しいと感じてしまうことがあります。抽象的な表現も理解しにくく、雑音が多い環境だと集中できないことがあります。
強みと弱み
聴覚優位タイプの強みは、情報収集や理解が早く、記憶力に優れていることです。コミュニケーション能力も高く、周囲の人との協調性を大切にする傾向があります。
一方、早口で話すと理解しにくい、抽象的な表現が理解しにくい、雑音が多い環境だと集中できないといった苦手さもあります。
まとめ
聴覚優位タイプは、コミュニケーション能力が高く、周囲の人との協調性を大切にする傾向があります。情報収集や理解も早く、記憶力にも優れています。
聴覚優位タイプと上手にコミュニケーションをとるためには、ゆっくりと、はっきりとした声で話すことが大切です。抽象的な表現は避け、具体的な事例や体験談を用いて説明しましょう。
情報処理
- 音声情報を処理し、記憶する。
- 音声や音楽、会話などを好む。
- 言語能力に優れている。
- 人の話をよく聞き、理解する。
- 声のトーンやリズムに敏感。
- 音楽や人の声、講演などを好んで聴く
- 情報を整理する際は、頭の中で音声を整理する
コミュニケーション
- 話す際は、声のトーンやリズムを意識する
- 質問が多く、会話を通して情報収集する。
- 議論やディスカッションを楽しむ。
- 相手の声のトーンや話し方から、感情や意図を読み取る
学習
- 講義や説明を聞いて学ぶのが得意。
- 朗読や音声教材を活用する。
- グループワークやディスカッションを通して学ぶのが効果的。
- 聴覚的な情報が豊富な教材で学習するのが効果的
- 聞きながら覚える、音読するといった学習方法が得意
その他
聴覚優位タイプの子どもには
- 話しながら行動する
- 一緒に歌を歌ったり、音楽を聴いたり楽器を演奏したりする
- 話す際は、ゆっくりとわかりやすく話す
- 歌や音楽を取り入れる
- 歌や音楽、音声教材などを活用した学習
- 声かけや語りかけを意識的に行う
このような関わりをすることで飲み込みが早かったり、指示が届くようになるかもしれません。
体感覚優位(Kタイプ)
体感覚優位タイプは、情報を処理する際に味覚・嗅覚・触覚などの体感覚的な情報に最も影響を受けるタイプです。
特徴
体感覚優位タイプは、五感の中でも、触覚や嗅覚、味覚といった体感覚の情報に敏感です。実際に体験したり、体を動かしたりすることで理解を深め、物事を論理的に考えるよりも、感覚的に判断する傾向があります。
感情表現が豊かで、ジェスチャーや表情が活発。話す速度はゆっくりで、声のトーンは低く、目線は下向きになりがちです。「感じる」「触れる」といった体感覚に関する表現を多用するのも特徴です。
コミュニケーション方法
体感覚優位タイプとコミュニケーションをとるためには、実際に体験できる機会を提供することが重要です。体を動かしながら説明し、五感に訴えるような表現を用いることも効果的です。
具体的には、以下のような方法が有効です。
- 実習や体験型学習を取り入れる
- ワークショップやセミナーに参加する
- デモンストレーションや実演を行う
- ロールプレイングやシミュレーションを行う
- 五感に訴えるような資料や教材を用いる
- 香りや音楽などの環境を演出する
体感覚優位タイプとのコミュニケーションで注意すること
体感覚優位タイプは、抽象的な説明が理解しにくい傾向があります。長時間座っているのも苦手で、動き回ったり、体を動かしたりする必要があります。
どうしてもまじめな話をする必要があるときは適宜リフレッシュタイムを設定するのも有効です。
強みと弱み
体感覚優位タイプの強みは、行動力があり、チャレンジ精神旺盛であることです。実践的な能力に優れており、周囲の人を巻き込む力も持ち合わせています。
一方、抽象的な説明が理解しにくい、長時間座っているのが苦手、動き回ったり、体を動かしたりする必要があるといった弱みもあります。
まとめ
体感覚優位タイプは、行動力があり、チャレンジ精神旺盛です。実践的な能力に優れており、周囲の人を巻き込む力も持ち合わせています。
体感覚優位タイプと上手にコミュニケーションをとるためには、実際に体験できる機会を提供することが大切です。体を動かしながら説明し、五感に訴えるような表現を用いることも効果的です。
情報処理
- 体感覚を通して情報を処理し、記憶する。
- 実際に体験したり、体を動かしたりすることで学ぶ。
- 運動能力や実践的な能力に優れている。
- 五感をフル活用して情報収集する。
- 感触や質感に敏感。
- 運動やスポーツ、体を動かすことを好む
- 情報を整理する際は、頭の中で体を動かしながら整理する
コミュニケーション
学習
- ワークショップや実習など、実践的な学習方法を好む。
- ロールプレイングやシミュレーションを通して学ぶのが効果的。
- 体感的な情報が豊富な教材で学習するのが効果的
- 実際にやってみる、体験しながら学ぶといった学習方法が得意
その他
- 行動力があり、決断力に優れている。
- チャレンジ精神旺盛。
- エネルギッシュでアクティブ。
- 現実的で地に足がついている。
- 体で覚えたことをよく覚えている
- 過去に体験したことを鮮明に思い出すことができる
- アクティブな性格
- 自然の中で過ごすことを好む
- 食べることやマッサージなど、五感を通じて楽しめることを好む
体感覚優位タイプの子どもには…
- 触れ合いを大切にする
- 感覚的な遊びを取り入れる
- 実際に触って体験させる
- 感触や動きを言葉で説明する
- 具体的な行動や手順を説明する
- 一緒に体を動かす遊びや運動を取り入れる
- 感触遊びや手遊びなど、五感を刺激する活動
このような関わりをすることで飲み込みが早かったり、指示が届くようになるかもしれません。
感触を言葉で伝えるときには子どもの言語発達に合わせた声かけが必要です。言葉を届けるイメージで実践していただくとより効果的です。
言語発達についてはこちらの記事で解説しているので、ご参照ください👀
身体を動かして遊ぶ際も身体発達に応じた活動がありますので、身体発達について知りたい場合はこちらの記事をご覧いただけましたら幸いです^^
livemy-ownway.hatenablog.com
タイプ別の傾向
どうせなら我が子の強みを活かした将来を生きてほしいと願いますよね。
息子の強みを最大化させるために日々模索して関わっていますが、VAKの特徴からもどんな職業に向いているか、さらにその強みを最大限発揮する環境や勉強方法の傾向がわかったりするので参考程度にしてください^^
視覚優位(Vタイプ)
聴覚優位(Aタイプ)
- 職業:ミュージシャン、カウンセラー、教師、営業、政治家、アナウンサー、通訳など
- 趣味:音楽鑑賞、会話、講演会、ラジオ、語学学習、映画鑑賞、朗読
- 好みの環境:活発な場所、音楽が流れている場所、人と話せる場所
- おすすめ学習方法:音声教材、音楽、講演会など
体感覚優位(Kタイプ)
VAK診断は万能ではありません!!
VAK診断はあくまでも参考であり、すべての障害児に当てはまるわけではありません。
子どもの個性や特性を尊重し、個別に合わせたアプローチが重要です。
以前感覚特性の観点でアセスメントできる記事を紹介したのでそちらも参考にしていただき、さまざまな角度から子どものことを理解することで関わり方が上手になっていきます。
親子で笑顔あふれる毎日を築くための5つのポイント
VAKタイプがわかったら、あとはとにかく楽しく子どもと過ごすだけです!
最後の章ではVAKを踏まえて子どもとの信頼関係を築いていくためのポイントを紹介していきます。
この章のポイントは以下の5つです。
- 我が子の「好き」と「得意」を尊重し、個性を伸ばす
- 小さな成功体験を積み重ね、自信を育む
- 最初は子どもの反応を見ながら、少しずつ試してみる
- 複数のタイプの特徴を組み合わせてみる
1. 我が子の「好き」と「得意」を尊重し、個性を伸ばす
子どもはそれぞれ、興味や関心、得意なことが異なります。親は、我が子の「好き」と「得意」を尊重し、個性を伸ばすようにサポートしましょう。
具体的には、以下のような方法が有効です。
- 子どもが興味を示したことに積極的に耳を傾け、一緒に体験する。例えば、子どもが恐竜に興味を示したら、恐竜博物館に一緒に行ったり、恐竜の図鑑を読んだりして、興味を深める。
- 得意なことを活かせる機会を与え、自信を育む。例えば、絵を描くのが得意な子どもであれば、絵画教室に通わせたり、地域のイベントで作品を発表する機会を与えたりする。
- 個性を否定せず、ありのままを受け入れる。例えば、人見知りな子どもであれば、無理に人と交友させようとせず、ゆっくりと時間をかけて慣れるようにサポートする。
ここにVAKの観点を取り入れて関わってみてください^^
2. 小さな成功体験を積み重ね、自信を育む
子どもは、小さな成功体験を積み重ねることで自信を育みます。親は、子どもがチャレンジしやすい環境を整え、成功を褒めてあげましょう。
具体的には、以下のような方法が有効です。
- 無理のない目標を設定し、達成をサポートする。例えば、宿題を最後までやり遂げる、10分間集中して勉強するなど、小さな目標を設定して、達成をサポートする。
- 過程を褒め、小さな成功体験を積み重ねる。例えば、テストで良い点を取ることだけでなく、努力した過程も褒める。
- 自信をなくさないよう、励ましの言葉を掛ける。例えば、失敗しても、「大丈夫、次はできるよ」と励ましの言葉を掛ける。
自信を育むためのスモールステップとして子どもが理解しやすいようにタイプに合わせて指示を出してみたり、学び方を工夫すると効果バツグンです。
3. 最初は子どもの反応を見ながら、少しずつ試してみる
子どものタイプや性格はそれぞれ異なるため、上記の方法がすべての子どもに効果的とは限りません。最初は子どもの反応を見ながら、少しずつ試してみることで、より効果的なコミュニケーションを取ることができます。
具体的には、以下のような方法が有効です。
- 子どもの反応を観察する
- 子どもの興味や関心に合わせる
- 無理強いしない
- 少しずつステップアップする
子どもがどのような反応を示しているかを観察することで、その方法が合っているかどうか判断することができます。表情や言動を注意深く観察しましょう。
活動を取り入れるときには子どもが好きなキャラクターや設定を取り入れることでさらに効果的なコミュニケーションが生まれる可能性があります。
無理強いをせずに子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつステップアップしていくことが大切です。
4. 複数のタイプの特徴を組み合わせてみる
子どもは、必ずしも一つのタイプに当てはまるわけではありません。複数のタイプの
- 視覚優位タイプと聴覚優位タイプの要素を組み合わせる
- 体感覚優位タイプと視覚優位タイプの要素を組み合わせる
など、子どものタイプに合わせて、複数のタイプの要素を組み合わせてみましょう。
年齢が小さい場合はまだ、タイプが確立されていない可能性もあるので今日は視覚優位のつもりで声を指示を出してみたが、あまり届かなかったから次は聴覚優位だと思って関わってみようという温度感の関わりで大丈夫です。
そういった積み重ねをすることで、だんだんと傾向をつかめるようになっていきます。