らしくたのしくらいふ

このブログは一部アフィリエイト広告が含まれます

学校や幼稚園・保育園における合理的配慮~子どもたちが安心して学べる環境を作るために~

「うちの子も、みんなと一緒に園や学校生活を楽しめるのかな?」

障害のあるお子様を持つ親御さんなら、誰もが抱く不安ではないでしょうか。

 

実は、近年注目を集めている「合理的配慮」という考え方によって、障害のある子どもも、障害のない子どもと同じ環境で充実した園や学校で生活を送ることができるようになります。

 

合理的配慮とは、簡単に言うと障害のある子どもが、障害のない子どもと同等の教育を受けられるように必要なサポートを受けることを指します。

 

結論として先に伝えたいことは、合理的配慮は、障害のある子どもたちの可能性を最大限に引き出し、輝く未来を築くための重要なツールです。

 

しかし、「具体的にどのようなサポートが受けられるのか」、「どのように申請すればいいのか」など、疑問も多くあるのではないでしょうか。

合理的配慮は、障害者差別解消法によって義務化される流れもあり近年ますます重要性が高まっています。

 

障害のある子どもも、障害のない子どもと同じように、学校生活や園生活を楽しみ、学び、成長したいという気持ちを持っています。

その願いを実現するために、学校や園、そして保護者が取り組むべきなのが、「合理的配慮」です。

合理的配慮は、障害のある子どもが、個性を尊重されながら最大限に可能性を発揮するための鍵となります。

 

保護者や支援者たちが理解を深め、積極的に取り組むことで、子どもたちが輝く未来を実現できるのです。

 

本記事では、園や学校における合理的配慮の必要性と具体的な内容、そして、保護者ができることを分かりやすく解説します。

 

この記事5秒ハイライト

💡合理的配慮の必要性と重要性

💡具体的な配慮例

💡合理的配慮を受けるためのポイント

 

1. 合理的配慮とは?

障害のある子どもたちが、教育を受ける権利を保障するために必要なサポート

合理的配慮とは、障害のある子どもたちが、障害のない子どもと同様に、教育を受ける権利を保障するために必要なサポートを指します。2024年4月から施行される改正障害者差別解消法により、学校や幼稚園・保育園は、子ども一人ひとりのニーズに合わせて、適切な合理的配慮を提供することが義務化されました。

 

2. 学校や幼稚園・保育園における合理的配慮とは?

学校や幼稚園・保育園における合理的配慮とは、障害のある子どもが障害のない子どもと平等に教育を受ける権利を享有・行使するために、学校・園が必要かつ適切な変更・調整を行うことです。

 

例えば幼稚園だったら子どもの特性を踏まえて全体に向けて指示を出すときに視覚支援を使って見通しを持ちやすくするようにする。

小学校では文章読解が難しい子どもに対して教科書の物語の骨子部分を短文でまとめたり、情景をイメージしやすくなるように挿絵を増やすなどの配慮をします。

 

3. なぜ合理的配慮が必要なのか?

なぜ合理的配慮が必要なのでしょうか?

 

それはすべての子どもの個性と可能性を尊重し、学びの機会を平等に確保するためです。

 

合理的配慮は、障害のある子どもたちの権利を保障するだけでなく、個々の特性を理解し、能力や個性を活かして、社会の一員として活躍できる環境を整えるために重要です。

この3つの観点で必要な理由を解説していきます。

  • 子どもの権利保障
  • 個性と能力の最大化
  • 社会参加の促進

子どもの権利保障

障害のある子どもも、障害のない子どもと同等の教育を受ける権利を持っています。

子どもの権利条約は、すべての子どもが尊厳と権利をもって生きることを保障するために定められた国際条約です。

その中でも、第23条は、障害のある子どもが社会の完全かつ効果的な参加を享受する権利を保障しています。

 

合理的配慮は、この権利を実現するために必要不可欠な手段の一つです。

 

個性と能力の最大化

合理的配慮によって、子どもは自身の個性と能力を最大限に伸ばすことができます。

合理的配慮は、障害のある子どもたちが、障害のない子どもたちと同等の教育を受けるために必要なサポートであると同時に、子どもの潜在能力を引き出し、可能性を最大限に開花させるための重要な鍵となります。

 

合理的配慮は単に「障壁を取り除く」だけではありません。

子どもの個性や強みに合わせた適切なサポートを提供することで、子どもの能力を最大限に引き出すための重要なツールとなるのです。

 

能力を最大化させるためにできること

①個別ニーズに合わせた支援

合理的配慮は、子どもの障害の種類や程度、個々のニーズに合わせて提供されることが重要です。

 

例えば、学習面では、視覚障害のある子どもには点字の教科書や音声教材を提供し、聴覚障害のある子どもには筆談をしたりコミュニケーションボードを使ったりします。

また、コミュニケーション面では、発達障害のある子どもにはコミュニケーション支援アプリの導入や個別指導を行うなど、それぞれの課題に合わせた支援が必要です。

 

②強みを活かす環境作り

合理的配慮は、子どもの弱点を克服するだけでなく、強みを活かせる環境を作るためにも役立ちます。

視覚優位の子どもの場合はモニターを有効活用した授業を取り入れてもらったり、一斉指示を口頭だけではなく、黒板にやることリストを書いてもらうなどが考えられます。

 

社会参加の促進

合理的配慮によって、子どもは社会の一員として積極的に活動することができます。

合理的配慮は、子どもたちが自立し、社会の一員として積極的に参加できるように支援します。

 

例えば、車いす用スロープや手すりの設置など、バリアフリー化を進めることで、子どもたちは自力で移動できるようになり、行動範囲が広がります。

また、コミュニケーション支援アプリの導入など、コミュニケーションを円滑にするためのサポートは、子どもたちが社会とのつながりを深め、積極的に活動することを促します。

 

4. 具体的な事例

学校や幼稚園・保育園における合理的配慮は、子どもたちのニーズに合わせて、様々な場面で提供されます。

障害の種類や状況によって異なりますが、以下のようなものが含まれます。

学校

学習面
  • ディスレクシアのある児童に、音声教材や拡大文字資料を提供する
  • ADHDのある児童に、個別指導や集中できる環境を提供する
生活面
  • 車いす利用の児童に、スロープや昇降機を設置する
  • 医療的ケアが必要な児童に、適切な支援を行う

 

幼稚園・保育園

生活面
  • トイレ介助や食事介助を必要とする園児に、個別に支援を行う
  • 感覚過敏のある園児に、静かな場所や落ち着ける空間を提供する
  • 自閉スペクトラム障害のある園児に、コミュニケーション支援アプリを導入する
  • 一斉指示がキャッチしにくい園児には視覚支援を多く取り入れる

 

発達障害のある子ども
  • 個別指導や集中できる環境になるようにパーテーションの設置
  • コミュニケーション支援アプリの導入
  • スケジュール管理やタスク管理の視覚化

 

これまで10年以上児童発達支援の現場にいて小学校に合理的配慮を提案する側の人間として一つ言えるのはキーワードとして「誰に対しても合理的である」という必要があります。

上記の内容は依頼する合理的配慮を受ける子どもにとってもちろん理想の支援になります。

しかし莫大なコストがかかってしまうことが予想できます。そのため園や学校からすると答えはNOということになってしまうわけです。

 

どちらかが優勢とか我慢するのではなく、一歩ずつ歩み寄る必要があります。

一方的に断るのではなく、もし断る場合はどういう理由で難しいのか、さらに難しい場合は代替案としてどんなことができるのかということを話し合う必要があります。

 

4. 保護者との連携

子どものニーズを把握し、合理的配慮を効果的に提案・提供するためには、保護者との連携が不可欠です。

学校や園は、保護者と積極的に情報交換を行い、子どものニーズを把握し、適切な支援を提供していく必要があります。

そこでどのようなコミュニケーションをとっていけばよいかの紹介です。

  • 子どものニーズを把握・共有する
  • 適切な配慮について話し合う
  • 定期的に状況を確認する
  • 実践してくださった内容を褒めまくる

 

子どものニーズを把握する

どのような配慮が必要か、子どもや保護者と話し合い、ニーズを把握することが重要です。

これまでの集団生活の中での苦労したことや努力してきたことを踏まえて、障害特性やどのような場面でどのような困難があるのかを整理していきます。

 子ども本人と保護者が必要としている配慮の本質は何かをアセスメントして園や学校としてできることを最大限考え、チームでどのように対応できるか検討してきます。

 

適切な配慮について話し合う

 

これは有名なイラストですね。公平と公正の違い誰にでも公平に配慮をすると左のようになります。

今でも「特別扱いはできない」というような反応をされる方もいらっしゃいます。

 

それならと全員公平にツールを導入したりすると過剰になる人もいれば適切な人もいるし、足りない人もいる。

一方で公正にすると右のように必要な人に必要なだけサポートをすることができるようになります。

 

学校が提供できる量や子どもにとって適切な量などのバランスを綿密にコミュニケーションをとって進めていく必要があります。

 

5.合理的配慮を受けるまでの流れ

引用:兵庫県教育委員会

ここでは、合理的配慮をスタートさせるまでの流れを、より詳細な6つのステップに分けて説明します。

 

1. 意思表明:ニーズの明確化と共有

まず、障害のある子どもや保護者自身が、合理的配慮が必要であることを意思表明する必要があります。

  • 保護者または子ども自身が、合理的配慮の必要性を認識し、具体的なニーズを明確にする。
  • 障害の内容、特性、強み、弱み、学校生活における課題などを整理する。
  • 学校に相談し、ニーズを伝え、合理的配慮の必要性を理解してもらう。
  • 具体的なニーズを明確に伝え、どのようなサポートを求めているのかを学校側に理解してもらうことが重要です。
  • 意思表明は、口頭や書面で行うことができます。

 

仮に保護者や子ども側から相談や申し出がない場合でも日常的な行動観察を通して子どもの生きづらさが顕著な場合は適切な配慮を提案するため先生側から働きかけがある可能性もあります。

 

感覚特性において生きづらさを感じていることもあります。子どもがどんな感覚特性を持っているのかをこちらの記事を参考にしてアセスメントしてみてください👀

 

livemy-ownway.hatenablog.com

 

 

2. 調整:関係者との協議と合意形成

学校や園は、ニーズを踏まえて保護者や子どもと相談しながら、どのような合理的配慮を提供できるかを検討し必要な合理的配慮の内容を調整します。

  • 学校側(教員、管理職、専門家など)と保護者が協議し、ニーズに合致する合理的配慮の内容を検討する。
  • 具体的な支援方法、必要な人員、費用、スケジュールなどを調整する。
  • 必要に応じて、専門家や他の関係機関からの意見を聞き、合意形成を行う。

適切に実態を把握することやそれに伴った支援や指導をするためには利用している児童発達してん事業所や放課後等デイサービスなどの専門家から情報提供をサポートしていただくことも視野にいれてもいいかもしれません。

 

3. 決定:計画書の作成と合意

調整の結果に基づき、具体的な合理的配慮の内容を決定します。

  • 協議に基づいて、個別の教育計画や個別の指導計画などに記載する。
  • 計画書には、子どもの目標、必要な支援内容、実施方法、責任者、評価方法などを具体的に記載する。
  • 学校全体で共有認識を持つ

 

まずは直近1か月くらいの範囲で行われる行事などの合理的配慮について優先的に話し合いをしていきましょう。

 

子どもの持っている力を最大限発揮できるかどうかの観点で合意形成をしていくことが重要です。

合意形成をした後ずっと続けるのではなく、子どもの状態を鑑みて柔軟に合理的配慮の内容を修正させていけるように余白を持たせておくようにコミュニケーションをとっておくことが重要です。

 

誰にとっても合理的である必要があるため、誰かが過剰に辛い思いをしないような内容に着地することを目指していきます。

 

また、スタート時は大丈夫と判断をしていても実施している途中で負担感が増していき合理的ではなくなる可能性もあります。

負担が増したと判断をする場合はきちんと説明をしていきましょう。

 

4. 提供:支援の開始と継続的なサポート

決定に基づいて、合理的配慮を提供します。

  • 計画書に基づいて、合理的配慮を提供する。
  • 支援内容や方法については、子どもの状況やニーズに合わせて柔軟に対応する。
  • 必要に応じて、専門家による支援や指導を行う。

 

園や学校全体で共通認識を持ってチーム全体で合理的配慮をスタートさせていきます。

提供するにあたり、子どもの行動観察をしていき成長や変化を記録しておくことをオススメします。

 

5. 評価:効果の測定と改善

合理的配慮の実施状況を定期的に観察し、評価を行います。

  • 定期的に、合理的配慮の効果を評価する。
  • 子ども自身がどのように感じているか、目標達成に向けてどの程度進捗しているかを把握する。
  • 評価結果に基づいて、計画書の内容を見直し、必要に応じて修正を行う。

 

園や学校は子ども本人にとって適切なサポートであるかどうかを定期的に評価をしていく必要があります。

子どもが成長に合わせてサポートの総量を少なくしたり、環境の変化によって必要なサポートの種類が変わることもあります。

そのために定期的に子どもの状況を観察していきましょう。

 

6. 見直し:定期的な調整と改善

子どもの成長や状況に合わせて、合理的配慮の内容を定期的に見直します。

  • 子どもや学校環境の変化に合わせて、計画書を定期的に見直す。
  • 見直しには、保護者、学校関係者、専門家などが参加する。
  • 見直し結果に基づいて、合理的配慮の内容を改善していく。

 

子ども本人と保護者とで成長を見ながら子ども本人にとって最適な合理的配慮になるように適宜修正をしていきます。

 

合理的配慮は保護者の協力が必要不可欠です。合理的配慮の義務化を盾にして一方的に配慮を求めてしまっては建設的なコミュニケーションを取ることが難しくなり、結果不利な状況になってしまうことがあります。

 

日ごろから園や学校の職員と情報共有をしつつ、子どもに実践してくださった工夫や関わりを褒めて支援者に感謝の気持ちを伝えることも必要です。

 

保護者がそんなことまでしなければいけないのかと思われるかもしれませんが、

先生も神様ではなく一人の人間です。

 

お互いに気持ちよく過ごしていくためのことに尽力していきましょう。

 

6. まとめ

合理的配慮は、すべての子どもたちが安心して、楽しく、充実した学びの環境を作るために必要不可欠です。

 

学校や幼稚園・保育園は、教職員の理解を深め、体制を整え、子ども一人ひとりに必要な配慮を提供していくことが重要です。

 

保護者や支援者が理解を深め、積極的に取り組むことで、すべての子どもたちが共に学び、成長できるインクルーシブな社会を実現しましょう。

 

本記事を参考に、合理的配慮について理解を深め、こどものために行動してみませんか?

  • 園や学校に相談してみる
  • 他の親御さんと情報交換してみる
  • すけのX(旧Twitter)をフォローしてみる

 

合理的配慮を依頼する前にまずは子どもの特性を理解する必要があります。感覚特性をアセスメントできるようなシートの解説をしています。

 

livemy-ownway.hatenablog.com

 

 

※記事の内容は、あくまで参考情報です。具体的な内容は、子どもの状況によって異なります。