こんにちは!すけ( @sukeryoiku )です。
いろんなものに興味を持って欲しい
子どもの遊びの幅を広げたい
こう願う発達っ子パパママは少なくありません。
おもちゃを与えても持続せずに投げ捨てる。
そのせいで子どもが一人で遊べずに親の私たちが自分時間を確保できない。
この記事を読むと
- 一人で遊べるものが増える
- ワンパターン化していた遊びのレパートリを増やせる
- 家事の時間を確保できる
- 出先で待ち時間を過ごせるようになる
- 子どもへのプレゼントの選択肢が広がる
遊びや興味の幅を広げる時のコツ
これまで散々いろんなおもちゃを子どもに試しては捨てられ、試しては捨てられを繰り返してきた私たち。
まあまあキツイです。
「もしかしたら好きそうかも」と思って買ってみて、無駄にしてきたおもちゃが山積みになっている人も多いかと思います。
実際私もおもちゃ屋さんで息子が手を伸ばしたものを買ってみたら見向きもしなかった経験が何度かあります^^;
親戚から誕生日やクリスマスプレゼントをもらっても数分で終了。笑
ちーーーーーーーーん
でもそんなあなたに朗報です!
実は遊びの幅を広げるには3つのコツがあります。
- 子どもがついついやってしまう普段の行動を観察する
- 観察をもとに分析する
- 普段やっている活動に近い遊びを考える
こんな理屈を言われて頭では理解できても上手くできないから困ってるわけですよね。
私も児童指導員になりたての頃は子どもの遊びや興味の幅を広げることに苦戦していました。
ただ、今回紹介する遊びを広げる方法を理解してからは、重度知的障害でASDと診断された息子で実践しても遊びの幅を広げることができました。
親子ともに遊びに関するストレスがかなり軽減されると思います。
①ついついやってしまう普段の活動を観察する
普段どんな感じで遊んでいるのか具体的に観察をしていきます。
児童発達支援の現場でも「うちの子、プラレールでしかあそばないんです」といった発言をよく聞きます。
支援者でも引き継ぎを受ける時に「〇〇君はトミカが好きですよ」って共有をもらい、私が関わる時に実際にトミカを持っていくと全然好きじゃないなんてこともしょっちゅうあります😅
たしかにトミカで遊んでいた事実はあると思います。
この引継ぎが悪いのではなく、もう一歩踏み込んだ観察をする必要があります。
例えば、お絵描きが好きというお子さんがいても好きの背景がそれぞれ異なります。
- 作品を誰かに紹介するのが好き
- 自分の頭お中を自由に表現できるのが好き
- 一人で黙々と作業に没頭できるのが好き
- カラフルに表現できるのが好き
恐竜が好きというお子さんでも背景がさまざまです。
- 恐竜をガチャガチャぶつけて戦いごっこをするのが好き
- 恐竜のフィギュアを並べるのが好き
- 図鑑を眺めるのが好き
- オリジナルの恐竜を作るのが好き
- 恐竜になりきるのが好き
そのもの自体が好きなのではなく、そのおもちゃを使ってどんな感覚や感情を得ることが好きなのか、楽しいのか、快になっているのかを観察&分析することが大切になってきます。
観察した内容を次に紹介する3つの分析を使って似たような活動に横展開していくようなイメージで遊びの幅を広げていきます。
②観察をもとに分析する
観察して普段ついついやっちゃう行動が明らかになったら「なぜ?🧐」と深く分析をしていきます。
分析にも実は3つのコツがあります。
分析の3つのコツ
- 感覚特性で分析する
- 活動の要素で分析する
- 得られる感情で分析する
それぞれ言葉を聞いただけではどんなことなのかイメージがわきずらいと思いますので順番に解説していきます。
感覚特性で分析する
感覚特性は7つあります。
- 視覚
- 聴覚
- 嗅覚
- 味覚
- 触覚
- 前庭感覚
- 固有受容感覚
いわゆる五感はみなさんご存知かと思います。
特性の観点で分析をすると次のようになります。
👀視覚:目を使って楽しむ遊び。
➡ボールが転がる様子を見る、目の端っこでプラレールが通過するのを見るなど
👂聴覚:耳を使って楽しむ遊び。
➡歌絵本でDLをする、いろんなところを叩いて音の違いを楽しむなど
✋触覚:触感を楽しむ遊び。
➡スライムやねんどななど。皆さんの想像通りですね。
穴に指を突っ込んでみたり、ボコボコしたところを触ってみたり、プラレールの動いてるタイヤを触ってみたりいろんな楽しみ方があります。
👃嗅覚:遊びの中ではあまりみられません。
➡匂いつきの消しゴムなどを好む可能性があります。
👅味覚:遊びの中ではあまりみられません。
「いやいや、うちの子は口の中におもちゃを入れて楽しんでいるよ!」
って思うママたちがいるかもしれません。あれば唇や口の中で触れて確かめています。
味を楽しんでいることは中々ありません。
🎢前庭感覚:自分の体の傾きやスピードを感じて楽しむ遊び。
例えば斜面に立とうとするときに自然とバランスを保とうとしたり、ジェットコースターに乗ると重力を感じますよね。
これは前庭感覚が正常に働いているから感じられる感覚です。
💪固有受容感覚:自分の体の位置や力加減を感じて楽しむ遊び。
例えば目を閉じていても自分の膝に触ることができますよね?
自分の体の位置を理解できているからどれくらいどこの筋肉や関節を動かしたらピンポイントで触れるかわかるんです。
他にも引越しで重い段ボールを持ち上げるときに力をグッと入れますが、豆腐を掴むときはどうでしょうか?
形が崩れないように優しく包み込むように力をコントロールしますよね。
さらに目を閉じていても自分の名前を結構きれいな字で書けると思います。慣れている運動であれば筋肉の加減を調整できるからです。
これは固有受容感覚が正常に働いているから起きています。
どの感覚特性を使っているか、刺激を楽しんでいるかということを観察していきます。
前庭感覚と固有受容感覚は次に説明する遊びの要素のイリンクスの要素を含んでいることが多いですね。
我が子がどんな特性を持っているのかを見える化するためのアセスメントシートをこちらの記事で紹介しています。
遊びの要素で分析する
アゴン(競争)
ドッチボール、将棋、かけっこなど勝利という価値を得るために競い合って遊びます。
ほとんどの遊びがここに属しており、道具の有無は関係なく競争の形をとるものです。
ミミクリ(模倣)
アイドル、消防車や電車・恐竜の真似をするなど何かを演じて遊びます。
自分自身を自分以外に当てはめるために自分の世界から飛び出します。
アレア(運ゲー)
ビンゴ、人生ゲームなど文字通り賭け事のような遊び。
自分の努力はほとんど関係なく運ゲー。人間だけの遊びで動物にはない活動です。
イリンクス(めまい、スリル)
すべり台、ぶらんこ、シーソー、ジェットコースターなど前庭感覚を楽しむ遊び。
ぐるぐる回る、急降下など一時的に安定感を破壊するような遊びです。
みなさんがちょっと待ってでも満たしたいものですね。
これらの遊びの4要素はスパッと綺麗にカテゴライズできるものではなく、それぞれが紐づいていたり複数の要素が絡んでいたりします。
どんな感情になるか分析する
こどもたちがついつい夢中になってやっている活動は行動した結果、本人にとって何かしらポジティブな感情に出会っているはずです。
そのポジティブな感情が得られるため、その活動を何度も繰り返したり選択していると考えます。
そこで果たしてどんな感情に出会ったのかを仮説を立てます。
※外部のPDFファイルに飛びます。
例えば活動を通してこのような感情に出会います。
【達成感】
・とにかくたくさんの量をこなして全部完成させられた!
・できなかったことが練習したらできるようになった!
【超越した感覚】
・自分の頭の中にあるイメージをクリエイティブしたら褒められた!
・サクサクできて他の人よりも得意と感じられる活動だ!
【コミュニケーションできてよかった】
・お店屋さんごっこのように人とやり取りして楽しかった!
・トランプしながら学校の出来事を報告できた!
このようにその人が求めている感情がわかれば、その感情が得られる工夫を逆算して考えることができます。
普段はやらないであろう活動を提案しても受け入れて参加する可能性があります。
とは言ったものの、活動を提案する以前に。
何をするかよりも誰とやるかが大切になってくることもあります。
全然信頼関係の構築されていない初めましての大人よりも
おうちで毎日過ごして安心できるお母さんとやった方がいいですよね。
実際に遊びを考えてみよう
冒頭の例で出した恐竜とお絵描きから遊びを広げてみます。
遊びの幅を広げる時の手順は
②どんな感覚を得ているのか、どんな活動の要素があるのか、どんな感情を得ているのかを分析する
③同じような楽しみがありそうな活動を考える
こうでした!
〜恐竜編〜
①観察
走り回りながら恐竜をガチャガチャとぶつけて戦わせて遊んでいる
②分析
特性:固有受容感覚、前庭感覚が鈍感寄り
要素:ミミクリ、イリンクス
感情:自己表現、自由、創造性
みたいな感じで分析をしていきます。
③新しい活動
【トミカのマップを広げて泥棒と警察ごっこ】
👉カーチェイスのようなイメージで泥棒と警察がマップないを小競り合いしながら走る
【ねんどを使って自由に敵役を作る】
👉敵役のモンスターをヒーローが倒す
〜お絵描き編〜
①観察
オリジナルのキャラクターや世界観のお絵描きをいろんな色を使って表現してる
②分析
特性:視覚が鈍麻寄り
要素:ミミクリ
感情:自分を知ってもらう、理解してもらう、創造性、世界観の一貫性など
③新しい活動
【一緒に絵本を作ってみる】
👉自分の考えている世界観を表現できれば楽しいかもしれない
【動物園や水族館などテーマを自由に発想してもらって折り紙をする】
👉頭の中にあるイメージを折紙を通して体現でき、考えを理解してもらえたら楽しいかもしれない。
遊びを広げていく方法はこれだけではありません。
遊びの社会性が発達をしていることも必要です。
あそびの発達段階についてはこちらの記事を参照ください。
今回は遊びを展開していく方法の一例として理解していただけましたら幸いです(^^)
まとめ
遊びの幅を広げるためには3つのコツがありましたね。
遊びの幅を広げる3つのコツ
- 今やってる遊びや活動を観察する
- なぜその遊びや活動をやっているのか分析する
- 同じような遊びを考えて広げる
毎回同じような遊びをしていて遊びの幅を広げたい
子どもがマンネリ化している
などのお悩みがある場合は一度試してみてください!